「それで、君はどうするの?」
彼女は押し黙った。何も問題はなかった。むしろうまくいっていたはずだった。三分前までは。しばらく何も喋らなかった。
遠くでパトカーが急いでいる。事件だろうか。それはどうでもいい。今、この気まずさをどんな風に解けばいいのかが今の僕にとっては最大のテーマなのだ。いや、もしかしたら、この気まずさそのものよりその前提を考えるべきなのかもしれないわけで、その意味では前提に思い至っていない今の自分にとってこの気まずさは必然なのかもしれない。
二人で食べようと思っていたゼリーを引っ張り出す。
「これ、買ってきたんだ。食べようよ。」
「帰るね。」
とうとう一人の静けさがやってきた。ゼリーを口に含む。すっきりしていて、甘い。けれどどこかひりつく。焼酎入りだからか、少し目の前が眩しくなってきた。なぜ一人なんだろう。なぜ帰るねなんだろう。よくわからないけど、今はこのまま座り込んでいようと思う。
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